先日、「中川政七商店」様のDX戦略事例のお話を伺う機会がありました。
皆さんも、一度や二度は観たことありますよね。
伝統工芸品だけどテキスタイルでかっこいい。
私もお気に入りです。
会社員時代は、駅隣接のショッピングモールでふら~~と足が吸い寄せらせましたよね笑
※出展元:渋谷店様
なんといっても創業300年を誇る企業。
300年存続させるって大変ですよね・・・
その秘密に迫りたいという気持ちもありました。
※出展元:「The Trunk Market 」
経営の苦難を歴代の当主はどうやって乗り切っていったのだろう?と。
そんな「中川政七商店」様のお話。
NewsPicks さんでも記事がでている様子→★
大変参考になったので記載したいと思います。
その記事とは内容はちょっと異なるトピックでしたが、
とても重要な内容でした。
DX(デジタルトランスフォーメーション)戦略を考えていくときに、
単にデジタル化といった形で、
色々なものがデジタルに置き換わっていくけれど、
それが、「自社のらしさ」に合っていない場合もある。
集客上、自社に届ける必要のないお客様に情報が届いている可能性もある。
(いわゆるノイズ情報)
そんなときにこそ、
「自社のらしさ」=ビジョン・ミッションは何か?
に立ち返ることが必要で、
その上で、自社にとってのDX戦略を立てることが大事。
お話を伺っていて、そんなことを実感させられました。
ーーーー自社らしいか?
らしくないなら、やらない!
そのレポートになります。
DX戦略を捉えるときに
1.自社の変革のきっかけにする
1)無理と思っていても案外できる
コロナ渦中になり、「リモート体制」にせざるを得なくなった。
「やってみたら案外できるじゃん!」といった企業は多かったと思う。
「やってみる」「無理だと思っていたことにもチャレンジする」
よい機会。
2)評価基準ーーー成果型にシフトしていく
コロナになって、リモート体制になり、より「成果」で仕事を評価する傾向にはなってきた。
他方、じゃあ「これまで工程自体も正しく評価できていたのか?」
という疑問も浮上してきた。
「工程自体も見直ししていく」
そんなタイミング。
2.新しいものの導入ー変革期ー「ダメだ!」ー乗り越える!
リスクをとって、やってみる。
一度壊してみる。その先に本質がある。
やめない。
多くの会社や、新規事業の取組、変革・改革のことをやると、
「半年ぐらいやって、やっぱだめだった」それでそこでやめてしまう。
そんなのが多いと思う。
そうではなくて、やるなら、とことん、壊れるまでやる。
その先に見えるものがある。
(と、担当の方が薫陶をうけた人=楽天の執行役員の方が仰っていたそうな)
確かに、改革しよう!っていって、やりきらなくて「戻す」というケースは多いのですよね~。わかります。
3.ECと店舗
1)店舗に来てくだされば勝ち取れる!
ー高い技術がある自信
中川政七商店の場合は、店での勝負。
商品さえ手に取って貰えたら「絶対伝わる自信」
2)手に取る作業がデジタルタッチに変わった
それが、コロナになって、直接店舗に来てもらう箇所が、デジタルが介入。
3)デジタルきっかけで店舗に来てもらう
デジタルが中心になったのではなくて、店舗にきてもらうきっかけがデジタルになっただけだった。
4.ビジョン戦略とブランディング戦略
ブランディングとは
コンテンツ×コミュニケーション
デジタルにするだけでは対処療法に過ぎない。
「ブランディング」ーーーー
コンテンツつかったコミュニケーションであり、
ブランドをどう正しく伝えるか?
コンテンツをどのように伝えてどう正しく伝えるかが大事。
その点でいうと、店舗でやる作業は、
コンテンツ×コミュニケーションである。
コンテンツ=商品を観る →コミュニケーション
例えば、
お客様が、かごにいれた。
それを店員はチェックをする。
お客様の趣向をしっかり理解して提案したり、コミュニケーションしたり、接客していく。
それがデジタルになると、
デジタル
どんなものをどのように伝えるか
・データをどのくらい取得して
・たくさんどのように取得
・WEBでの接客にどう生かすか
ということになる。
店舗内でお客様がどう動くか、
理解し動くことが、売上LTVに大きく関わる。
だから、
デジタルーバナー、配信
店舗ではやらない。
なぜなら、
リアルで、
店舗に行ったり、途中、屋上やトイレに行ったり、
その途中で、
「さっきはどうも!」
ということはできるけど、
デジタルで店舗を回遊しているときにはできない。
店舗接客でデジタルテクノロジーがおいついていない。
店舗で行われないことをデジタルでやっていいのか?
という疑問がでるのです。
※中川政七商店様のインスタ
恋愛と一緒で、
愛してくれる人に愛し還す
愛してくれない人をがんばって振り向かせる必要はない
中川政七商店は、
「ものづくり価値」を伝えること、
情緒的価値含めブランドである。
選ばれること大事である。
・商品に込められた願い
・やすさだけ、ではない。
だからこそ、
・価値観がすり合った人とお付き合いする
そもそも、
大量生産ができないため在庫は貴重品
ーただ商品の原液だけ売れるではない
ー工芸品。工業の現状
ー職人の想い
ー中川政七の経営哲学
これらが込みで「ブランド」
それを選んでもらうこと。
だから、
売上にはなるが、価値としては?合っていない、のであればそれは違う。
デジタルで追いかけていく作業は、
見込み顧客と出会う
見込み顧客ではない人の目に入らない
CTRーCV
優位に考えやすが、本当のCVなのか?
実際は、デジタルシフトして、
ノイズだった人との出会いの事実が分かった。
コンテンツを求めていない人との出会い。
コンテンツを求めていない人へのコミュニケーション
「こういうことができます」
より
「ブランド戦略としてはこうあるべきです!」
を打ち出すことがあくまで重要であるということだ。
売上重視であれば、
デジタルマーケティングは色々できて便利であるが、
「ブランドとしてどのようにあるべきか?」
リアル店舗ではやらないことをやる必要はない!
そのような、根本に立ち返ることができか?
これこそ重要だった。
(コロナで散々ディスカッションして気付いたことだったそう)
役員様曰く、
ーーーーーーーーーーーーーーー
その結果、
色々議論したが「広告はやらない」
リアル店舗でやらないことをデジタルでやらない。
となった。
ブランド戦略の根本に立ち返り自問自答した
デジタル戦略をやらないと集客に影響はあるが、新たにどのような戦術であるべきか明確に
なった。
ーーーー店舗でやらないことはやらない
他方、
社員にとっては、
店舗売上がモチベーションにつながっていたかつての評価指標から、
DX化によって、
「どこで売れたかはどうてもいい時代」になっていく。
売れたのが、店舗だったのか、ネットだったのか、
そうなると、売上責任は経営層で、
店舗のメンバーの評価指標が、
・お店きれい
・欠品していない
・お客様がほしい情報ー宣言
・あなたの情報がほしい、という接点の数
と評価がかわるかもしれない。接客の在り方が変わる。
お客様からすると、
今買わなくてもECで買える!
といって、お店に顔だけ出す人もきっといるだろう。
ーーーーーーーーーーーーーーー
確かに。
その人の接客対応がよくて、
実際の購入はECサイトから行うかもしれません。
そうなると、その人の売上評価かどうかはわからなくなりますよね。
社員からすると自分の成績なのか、
がんばった分だけ、どう評価されているか不透明になると
やる気も下がっていきますよね。
5.まとめ
コロナで、仕事環境や客足は変わったとはいえ、
結局、自社を選んで頂くにはブレてはいけない箇所があり、
まずビジョンがあり、
そのビジョンを達成するために、ブランディングがあり、
それにのっとってDX戦略を考えるということ。
自社のらしさにあったDX戦略であり、
ブランドが正しく伝えられるDX戦略をとることが大事
という結論だった。
ブランディングはビジョンを達成する手段
「らしい」
ブランド、ビジョン
ビジョン
↓
ブランド
↓
「らしさ」
らしくないはやらない
排除する。
ビジョンに共鳴するからこそ
ブランドを固く保つ
ことができ売上のLTVが上がっていく。
ビジョンに合わないことは
やらない前提で考える風土が
中川政七商店にはありました。
まあ、冷静に考えれば当たり前といえば当たり前の話ですよね。
でもこの当たり前のところに立ち返り、その重要性をこのように明快に説いてくださるのは、
とことん考え抜き、実践をした、その密度の濃さが伝わってきました。
まさに「基本が大事」ということがありありと伝わってきました。
企業によっては「優先順位の違い」があると思います。
「売上上位概念」であれば、数字だけ追いかけるという手法もある、と。
ただ、中川政七商店の場合は、
「らしさ前提を譲らない」
・中長期・LTVで考える
・PLでみない、BSでみる!
ーーーー定量的なBSー中長期的なBS
ビジョンーー企業戦略
ブランドーーブランド戦略
らしさーー4P
私自身は、フリーランスになって
ブランディングをより深く専門的に学ぶようになったので
新ためてその深さと真骨頂を感じた点と、
DXだからといって何でも間でも導入というと失敗するだけで、
常に、上位概念
ビジョンーブランディングと照らし合わせて最適なAIの導入やDX化が必要だな、と実感しました。
以上になります。
DX化の事例について、引き続き、ご紹介して参ります。
次回もお楽しみに!
↓↓↓↓
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