top of page

100年以上続いている日本の企業〜伝統と革新〜(5)任天堂


京都に本社があり、

ゲームソフトの開発・販売でお馴染みの「任天堂」は


1889年に創業した企業です。


花札からスタートし

ハード・ソフト一体型のゲーム専用機ビジネスへと

姿を変えながら進化を続ける理由を探っていきます。






技術をいかした商品開発


現在、ゲーム業界で大きな存在感を示している任天堂は


花札といった工芸をビジネスへ……


トランプやエレクトロニクス技術を使った玩具へと変化しながら

技術と遊びを組み合わせて事業を成長させてきました。


いくどか業態を転換させながら、

現在は「ハード・ソフト一体型のゲーム専用機ビジネス」を

経営の中核に置いています。



多角化経営を目指し、タクシー事業や食品事業に

手を広げた時期もありましたが



娯楽を投じて人々を笑顔にする会社として


「技術をいかした商品開発」に軸を戻し

商品開発を行なっています。






ユーザーに新しい体験を届ける


任天堂は、ヒットとヒット後の不振、

業績低迷を繰り返しながらも


何度も復活を遂げています。



「人気のある娯楽も時代の流れや変化によって、いつか飽きられてしまう」

「商品がヒットしても、成功は続かないと危機感を持つ」



任天堂は、このように意識しながら

業績のアップダウンに振り回されない経営を

続けてきたからこそ復活できるのです。




そして、ユーザーに飽きられてしまっても

次の新しい体験を届けるためにやっていること



・ユーザーの新しいニーズの掘り起こし

・今までにないジャンルの開拓


この2つを徹底しているため

何度も復活を遂げているのです。



「今までになかった体験をユーザーに提供できること」

これが任天堂の強み。



モノがあふれ、モノが売れなくなった時代

「顧客体験価値を高める」ことを

意識する企業は増えていますが



任天堂は以前から

「ユーザーの新しい体験」に注力していたため

「新しい体験」を生み出し続けているのです。



今までと違うことをして市場を開拓する


任天堂が


「ユーザーに新しい体験を届けられる」理由の一つに

情報や業界の常識に左右されない社風」があります。



たとえ、業界の常識から外れていたとしても

優れていると思ったアイデアを商品化していることが

任天堂のさまざまなヒットにつながっているのです。



100年以上続く歴史の中で、

時代の変化に合わせて商品を変化させながらも


「時代の先を見通し、今までと違うことをして市場を開拓する」

という想い


経営者が変わってもブレずに引き継がれています。






デザイン思考を活用した商品事例


ユーザーに新しい体験を届けるためには

さまざま思考法が活用されています。


2006年に発売された任天堂の「Wii」はデザイン思考を活用して

開発されたと言われています。



「デザイン思考」とは・・

デザイナーなどのクリエイターが業務で使う思考プロセスを活用し、
前例のない課題や未知の問題に対して
最適な解決を図るための思考法を指します。

当時、ゲーム機についてのイメージは

・親子関係を悪化させる

・子どものリビングへの滞在時間が短くなる


などマイナスのイメージが強かったところ


「家族で楽しめて、お母さんに嫌われないゲーム機」

というコンセプトのもとに


・家族で楽しめるゲーム

・リビングで場所を取らないゲーム機


などの


アイデアから「Will」ができあがり

ユーザーに新しい体験を届けたのです。






業績低迷時にも開発費を惜しまない


今までにないジャンルを開拓するには

研究開発や設備投資等の開発費が必要です。



任天堂が赤字に転落して業績が低迷している時も、

ビジネスを継続できているのは


任天堂に強靭な財務体制があり

研究開発費を維持できるからです。



任天堂は、2021年度のネットキャッシュランキングでは2位となり

「金持ち企業」とも言われています。(東洋経済が賃借対照表を元に算出)





ゲーム事業の業績のサイクルを理解し

業績が良い時に備えを積み上げているからこそ


財務体制が安定し

新しいことへ挑戦、冒険ができるのではないでしょうか。




時代に合わせて経営方針も変化させる


2021年に5年をめどに開発内製化などに

最大4,500億円投じる計画が発表されました。


任天堂はこれまでゲーム開発の際に

外部企業に制作を委託していましたが、

ゲーム技術者を雇い開発内製化に舵を切ったのです。


このことからも

「今までにないジャンルを開拓する」ために


自社コンテンツの強化

成長するための覚悟が感じられます。


どんな任天堂に変わっていくかも楽しみですね。



↓↓↓↓

さらに濃い 

「ビジネス」「セールス・クロージング」「マーケティング」や「その先にある本質の世界」について知りたい方は





コメント


コメント機能がオフになっています。
bottom of page