前回は、変化に対して前向きな思考法としてクリティカルシンキングについてお伝えしましたが、今回はセールスでの活用法をお伝えします。
セールスではいくらノウハウを覚えても、テクニックを身につけても、残念ながら売れない人は売れません。
ノウハウやテクニックは、仕事(営業)に対する心構えがあってからこそ生きてくるものです。そこで、クリティカルシンキングの土台となる心構えについてお伝えします。
クリティカルシンキングの基本スタンス
クリティカルシンキングに必要な3つの基本スタンスを身につけましょう。
1、目的を意識することが重要
2、自他に思考のクセがあることを認識
3、思考を止めず考え続ける
この基本スタンスは営業だけでなく、日頃から何かを考える際に使えます。
それぞれのスタンスについて詳しくみていきましょう。
1、目的を意識することが重要
クリティカルシンキングを行うには、「何のために思考するのか」と目的を明確にすることが大切です。重要でないことや必要でないことに時間を使わないように「会議でこのことについて考える意味はあるのか」「お客様の課題は本当は違うところにあるのではないか」などと常に考える習慣が大切です。
2、自他に思考のクセがあることを認識
考え方、価値観は人それぞれで、人間誰しも、思考のクセを持っています。そこで、お客様のことを客観的に見ることで、相手の思考のクセや価値観を見抜けるようになります。お客様の認識を理解した上でコミュニケーションや問題解決をしていくと、お客様との認識のズレを防ぐことができ、クロージングの角度も高まっていくのです。
お客様との人間関係構築やコミュニケーションの取り方にも深く繋がりがありますね。
3、思考を止めず考え続ける
結論に達したと思っても「なぜ?」「本当に?」「だから何?」と疑問を持ち、そこで思考を止めないことです。営業を含めたビジネス環境は変化し続けるため、問題は一つだけではありません。クリティカルシンキングによって問題解決スピードが速くなることも期待できます。
次にクリティカルシンキングを使った事例をみていきましょう。
クリティカルシンキングの事例
・「営業部の低迷している売上をあげるためには?」
「営業部の売上が低迷しているため、会社の業績が下がっている。新商品を出して売上向上を目指してみてはどうだろう」とある社員が主張しています。
仮説1、会社の業績の低迷は、営業部の売上低下が原因
仮説2、ここ数年、新商品が出ていない。商品を増やすことで営業しやすくなり売上アップにつながるのではないか
仮説3、営業マンの気持ちがマンネリ化しているため、モチベーションが低下。モチベーションを上げるためには、新商品が必要
クリティカルシンキングをしてみると
・業績が落ちているのは、営業部だけの問題か?
・新商品を増やすことで本当に売上が上がるのか?
・売上低下は競合他社の動きなどが影響していないか?競合他社の動きを分析できているか?
・営業マンのモチベーション低下は、商品が原因なのか?
売上の低迷に対して、自分が立てた仮説が成り立たなくなる場合は再考が必要です。組織全体のこと、競合他社の状況を確認しながら考えてみましょう。
クリティカルシンキングを身につけることで、ビジネスシーンにおける課題発見、課題解決のスピードが上がり、クロージングの精度も上がることが期待できます。
ただ、身につけるには時間がかかるスキルなので、日頃から3つの基本スタンスを意識して物事を考えてみるといいでしょう。
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