オミクロン変異株の感染拡大、ロシアのウクライナ侵攻、
インフレ圧力の強まり、円安などにより
世界経済の回復ペースが鈍化しています。
「経済」とは一体どういったものなのでしょうか。
ここで改めて「経済」の語源について調べてみたいと思います。
「経済」の起源は経世済民
「経済」という言葉の語源は、
中国の古典に登場する語「経世済民(けいせいさいみん」です。
「世の中をおさめ、人民を救うこと」
を意味しています。
つまり経世済民とは「政治」のこと。
類語の「経国済民」もほぼ同じ意味です。
「経世済民」「経国済民」を略したのが「経済」ですが、
最初は「政治」の意味で使われていました。
本来は、より広く政治・統治・行政全般を
指示する語として使われていて、
現在の「economy」の訳語として使われている
「経済」とは異なっていたんですね。
日本での「経済」の意味の移り変わり
もともと日本では「経世済民」が一つの言葉として
用いられることはあまりなく、
「経国」や「済民」と別々に使われることが一般的でした。
江戸時代になると「経世済民」が使われるようになりました。
経世済民の「経」には「治める」という意味があり、
「済」には「救う」のほかに「橋を渡す」という意味があったそうです。
川を挟んで橋を作り、人々が往来する。
日本では人と人を引き合わせることを
「橋渡しをする」と表現しますよね。
このように本来の「経世済民(経済)」の意味は、
「世を納め、環境を整えて、多くの人々を救うこと」を示していたのです。
幕藩体制の下で進行した領主財政の窮乏や
農民の疲労、商人高利貸資本への富の集中など、
社会の矛盾が顕在化した背景の中で
「経世論(経世済民論)」が流行り、
ここでいう「経済」という考えが浸透していきました。
しかし、江戸後期に入って貨幣経済が浸透すると
「経済」の意味が変わっていきます。
「社会生活を営むのに必要な生産・消費・売買などの活動」
という側面が強調されるようになり、
少しずつ「経済」の捉え方が変化していくのです。
現在の「経済」はeconomyの訳語として用いられていますが、
economyはギリシャ語のオイコノミアで
「家の管理すなわち家政」を意味するもの。
近年は国家レベルで「political economy」=経済学と訳されています。
利己ではなく「利他的活動」へ
現在、日本はかつてない「経済問題」に直面しています。
今いちど、本来の「経済」の意味を振り返ってみてはいかがでしょうか。
自らの利害ではなく利他的精神、近江商人の「三法よし」
新しい技術やサービスを開発し、世のため、人のために尽くすこと。
この古き良き日本の経済思想、感覚といったものを、
現代社会に適応させることで、
無理のない経済成長が図られるのではないでしょうか。
日本だけでなく世界全体を取り巻く環境が
凄まじい勢いで変化しています。
「温故知新」
改めて本来の「経済」の語源を知ることで、
これからの私たちの行動を
変えていく必要があるのではないでしょうか。
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